アジア諸外国をはじめとする、アパレルの生産現場では、児童労働や低賃金、安全・衛生面に欠ける労働環境、水質汚染などが問題となっています。
アパレル企業が自ら、取引工場の生産現場に足を踏み入れ、進んで何が問題なのかを把握し、その取引工場と一緒に問題解決に取り組むことが重要です。
アダストリアは2017年より、中国やベトナム、カンボジアなどの生産工場に訪問して、調査を行ってきました。同時に、人権や環境に配慮した当社独自の調達方針を定め、誓約の締結を進めています。この2年間で841社中589社の取引工場と誓約書を交わすことができました。
アダストリアが生産する衣料品で着る人だけでなく、作る人まで幸せにできたら。
1着の服から多くの幸せが生まれる。そんな服づくりを目指しています。
子どもたちを取り巻く環境は、時代とともに大きく変化しています。ほかの世代との接点や社会と関わる機会が減少するとともに、子どもたちが将来の仕事について考える機会も減っていると言われています。
そこでアダストリアでは2011年より、小中高生を対象とした職場体験を実施しています。2018年度は全国で39回実施。接客やスタイリングのアドバイスといった仕事の体験を通じ、相手のことを考え、思いやることの大切さを学びながら、人と触れ合うことや仕事をすることの楽しさを体験していただきました。最初は緊張していた子どもたちも、最後は笑顔に。
服は着るだけではなく、社会とのつながりや自分の将来を具体的に考えるきっかけにもなると考えます。家庭や学校以外での交流や経験を、今後も提供していきます。
日本における1年間の衣料品流通量はおよそ40億点。そして約20億点が毎年廃棄されています。その大半が焼却処分されているのです。
アダストリアでは、限りある資源を守り、循環させるため、全国各地で衣料品回収イベント「Play Cycle!(プレイサイクル)」を行っています。日本環境設計株式会社と協働し、お客さまが着なくなった服を、新しい服の原料や車の内装材、ジェット燃料などにリサイクルします。
2018年度、合計で9回実施した結果、2,616名ものお客さまから、17,144点もの衣料品を回収することができました。
もう服は、捨てるものではない。ジェット機を飛ばすこともできる。未来の大切な資源の1つです。
LGBTQs(セクシュアルマイノリティ)の方の割合は8.0%、つまり13人に1人(※)になります。「ファッションと人生を楽しみ、個性にあふれた世界をつくる。」ことをミッションに掲げるアダストリアでは、2018年より「LGBTQsに関する方針」を明文化し、グループ倫理規準を変更。さらに、LGBTQsの方にとっても働きやすい企業になっていくために、同性パートナーを配偶者として認める制度をつくり、慶弔見舞金などが受け取れるようにしました。
また、差別や偏見なく暮らせる社会を目指すイベント「TOKYO RAINBOW PRIDE 2018」のパレードに、社員とその家族、総勢53名で参加。
そのほか、フォトグラファーのレスリー・キーさんがLGBTQsの方を撮影する「OUT IN JAPAN」の活動をサポートしています。私たちの活動が、世の中の認識の変化につながっていくことを願い、今後も社内外での啓発活動を積極的に行っていきます。
OUT IN JAPAN公式サイト
http://outinjapan.com/concept/
(※) 日本労働組合総連合会調べ
障がい者雇用においては、雇用率が低いことが社会課題となっています。
特例子会社アダストリア・ゼネラルサポート(AGS)では、障がいの特性や程度・有無に関わらず、働きやすい環境づくりを進めています。バリアフリーはもちろん、会議に対話支援機器の導入や、産業医による体調やメンタルのケアなども整えてきました。2018年2月時点での障がい者雇用率は2.49%となり、さらに同年9月にはこれらの取り組みが認められ、「平成30年度障害者雇用職場改善好事例奨励賞」を受賞しました。
また最近は、精神障がい者の就労率が、身体障がい者に比べ低いことも課題になっていますが、当社では障がいの種類や有無に関わらず個人がキャリアアップできる職場づくりに力を入れています。それぞれの人が、やりがいと目的をもって輝ける。
それがアダストリアグループにとっても財産になっていく。お互いにとって望ましいと思える働く環境を目指しています。
労働人口の減少による人材不足や、人生100年時代と言われる中で従業員の長期的なキャリア形成が大きな課題になっています。
アダストリアでは、ライフステージの変化に合わせた働き方を選択できるように、小学校4年生就学前までの子どもがいる社員は時短勤務ができたり、フレックス勤務や在宅勤務などを整えることで、長く働きやすい環境をつくってきました。
これに加えて、お客さまにより高い満足を感じていただけるよう努力した従業員のスキルを認定する制度 (※SSC認定)を導入し、従業員がやりがいを持って仕事にのぞめる環境づくりも進めています。
人生と仕事を楽しむ、当社らしい取り組みを進めていきます。
※SSCとは、当社独自の制度で、サービス スキル サーティフィケーションの略語です。
渋谷区とそこに拠点を持つ企業や大学などが協働して地域の社会的課題を解決していく公民連携制度「S-SAP(シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー)協定」。
その活動の1つとして渋谷区が後援している「コオフク塾 in シブヤ」にアダストリアは2017年より参加しています。2年目を迎えた2018年は、当社からデザイナーや接客研修に携わっている社員なども加わり、ワークショップを行いました。
障がいのある方が、おしゃれやショッピングを楽しむときに感じていた、服や店舗環境、接客サービスに関する悩み。それを理解し解決するために、服のつくり手、学生、障がいのある人・ない人が1つのチームになって、誰もが心地良いと感じるファッションの楽しみ方を考え、カタチにしました。
すべての人が着やすく、ファッションを楽しむことができる社会を実現するために、今後の商品展開や接客サービスに活かしていきます。
アダストリアは、1953年に茨城県水戸市に誕生しました。その創業の地を大切にしたいという想いをはじめ、当社が店舗を構える全国各地とともに成長できるよう、地域貢献に力を入れています。企業理念である「なくてはならぬ人となれ なくてはならぬ企業であれ」を実現するために、各地域のお客さまとのつながりを深め、継続的な活動をしています。
■創業の地・水戸への支援
創業の地へ感謝の気持ちを込めて、現代アートの複合施設・水戸芸術館やサイバーダイン茨城ロボッツを継続してサポート。アートやスポーツを通して、水戸を盛り上げる活動をしています。
■東北コットンプロジェクト(被災地支援)
東日本大震災の被害を風化させないために、津波被害にあった地域で、塩害に強い綿花を育てている東北コットンプロジェクト。その支援を2012年より続けています。
■平塚ビーチクリーン
ららぽーと湘南平塚に店舗を構えるGLOBAL WORK(グローバルワーク)やBAYFLOW(ベイフロー)などのスタッフを中心とした約60名で、平塚海岸のビーチクリーンを実施。地域の皆さまが大切にしている自然を一緒に守っていく活動をしています。
CO2による異常気象や温暖化の問題は、年々深刻になっています。
年間およそ7千万枚の服を販売しているアダストリアでは、ショッピングバッグを焼却した際に発生するCO2を削減し、さらには紙袋などの原料となる資源を守るために、マイバッグを推奨する活動として「REBAGPROJECT(リバッグプロジェクト)」を実施しています。
お買いものの際、ショッピングバッグの利用をご辞退いただいたお客さまには、[.st]のポイントをプレゼント。
このリバッグプロジェクトがスタートした2014年から現在(2019年1月末時点)までに、のべ108万枚のショッピングバッグを削減できました。
今までの当たり前を変えていくことで、今よりもちょっと環境や暮らしにイイことを。
お客さまと一緒に取り組んでいきたいと考えています。
Play fashion!をスローガンに掲げているアダストリアでは、ファッションを通してワクワクできる社会を創りたいと考えています。さまざまな団体とコラボしていくことで、ファッションは社会にちょっとイイことができる。わたしたちはそう信じています。
■「Samurai ALOHA」×「HARE」
東北各地に眠る着物をアロハシャツにリメイクするSamurai ALOHA(サムライアロハ)は、着物の文化を現代に伝えることや、待機児童問題に直面している東北のお母さんたちが、自宅でできる手仕事を創出すること、東北の縫製工場を活用し、世界にその技術を広めることなどさまざまな課題を解決するために活動しています。
HARE(ハレ)は、2018年7月に、Samurai ALOHAと初めてコラボし、原宿の旗艦店と仙台の2店舗で、アロハシャツとオリジナルTシャツを、第2弾では、2019年1月にトレンチコートとスウェットを販売しました。
■「Because I am a Girl」×「JEANASIS」「repipi armario」
途上国では、女の子だからという理由で教育が受けられないという現実があります。
アダストリアが展開するJEANASIS(ジーナシス)とrepipi armario(レピピアルマリオ)では公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンの「Because l am a Girl」キャンペーンに賛同し、1枚10円の寄付が付いたコラボ商品を販売しました。
女の子を取り巻くリスクから守り、彼女たちが生きる力を発揮できるよう促すことで、貧困や差別、暴力のない世界を目指すキャンペーン。みんなのおしゃれがその力になっていく。当社にとっても、お客さまにとっても、ムリなく支援できる活動をしていきます。
小さくなって着られなくなってしまった子どもの洋服……。「まだ着られるのに捨てるのはもったいない」「誰かに使ってほしい」というお母さんたちの想いとニーズに応え、お子さまの大切な思い出の詰まった洋服を、親同士で思い出とともにシェアできるサービス「KIDSROBE(キッズローブ)」をスタート。
みんなで洋服をシェアすることで、子どもたちがファッションにもっと触れ、おしゃれを楽しみ、共有する機会を増やしました。
これからはおさがりではなくシェアの時代へ。新たなファッションカルチャーと新たな子ども服マーケットを創造し、想いをつなげていきます。
KIDSROBE公式サイト
https://kidsrobe.jp
おしゃれと社会課題。
一見まったく関係のないようなこの2つは、
じつは密接につながっています。
トレンドがめまぐるしく変化する今、
新しい服はどんどん生産され、
そのサイクルが早く短くなりつつあります。
アダストリアは、服をつくる企業として、
人や環境にやさしい服づくりを
目指していかなければなりません。
社会全体を見ても、
少子高齢化や人権問題、地方の過疎化など、
多くの課題が明らかになってきています。
そこで私たちアダストリアは、
今よりもちょっとイイ未来を実現するために、
3つのテーマを掲げて活動しています。