ベイフローは、「Respect nature, respect fashion.」をフィロソフィーに掲げるブランド。2021年春より、ウィメンズとメンズの一部を除くすべてのアイテムを、サステナブルな商品へと生まれ変わらせる取り組みがスタートします。以前から、ビーチクリーンイベントの開催や地球環境に配慮した生産方法を採用したデニムを販売するなど、自然を大切にする活動を続けてきたベイフロー。そこに込められた想いについて、これからの姿勢について。部長とMDの2名にオンラインで対談してもらいました。
今、ベイフローがやるべきこと。
それはやっぱり、自然を愛すること。
竹原:ベイフローの「Respect nature, respect fashion.」というフィロソフィーは本当に素敵ですよね。一人ひとりがそれぞれに好きだと思えるファッションを届けながら、自然にもしっかりと配慮できるブランドであり続けたい……そんな想いもあって、今回の「全アイテムをサステナブル商品への切り替える」ことを私から提案しました。
佐藤:今、世の中はどんどんサステナブルな観点を取り入れていますよね。マイボトルを持ち歩く、マイバッグを持参する、自然を守る活動をする……でも正直、最初に竹原さんから「すべてのアイテムをサステナブル商品に切り替えたい」と提案されたときは、かなり戸惑いを感じました。「本当にすべて切り替えられるのか」「環境に配慮した上で、お客さまに楽しんでもらえるファッションを変わらず提案できるのか」と、つい足踏みしてしまって。でも、彼女の熱意が伝わり、話を聞いていくうちに「これからは、アパレル企業はもちろん、社会全体で環境のことを考えていかなければいけない」と考えられるようになったんです。
竹原:「環境にいいもの」と「ファッション」はイコールになれないのでは……一昔前なら、そんな風に考える人も多かったと思います。でも、両立は十分可能なんですよ。特にここ数年は、サステナブルな観点を取り入れた素材や加工方法のバリエーションがすごく増えていて。「こういう服をつくりたい」と発信すれば、モノづくりに関わるたくさんの方々からご提案をいただけるんです。環境に優しい素材だったり、汚水を出さない加工方法だったり……それでいて着心地もすごく良くて、私たちがつくりたいデザインもしっかりと再現できて。
佐藤:生産工場の方や繊維メーカーの方など、商品をつくるには社内外含めてたくさんの企業や人が関わってくれていますが、提案されるもののクオリティは目を見張るほど上がってきていると感じますね。
竹原:アパレル業界のみならず、社会全体で環境を守るという意識が高まっているからこそ、選択肢も増えてきているんでしょうね。だから、「ファッションを楽しみながらサステナブルなことに取り組む」は、これからもっと当たり前になっていくと思います。
環境と向き合うとき、真っ先に
思い浮かぶブランドでありたい。
竹原:ここ何年かで、ファッションに対する価値観は「憧れ」から「共感」へと移り変わってきていますよね。私が学生の頃は、「誰もが憧れるハイブランドを着てみたい」という考えを持っている方が圧倒的に多かったと思いますが、今の人たちは「いかに共感できるか」という想いでファッションを選んでいるように感じます。
佐藤:ベイフローは洋服に留まらず、生活雑貨や飲食、スポーツなど、ライフスタイル全般を提案するブランド。今までにも、商品のテイストはもちろん、私たちのそうした活動に共感してお店に来てくださった方は多いと思いますね。
竹原:中でも、「海が好き」「西海岸が好き」「ヨガが好き」「サーフィンが好き」そんな風に共感してくださる方が多くいらっしゃると感じます。そのイメージはもちろん、これからは「環境にいいことをしたい」「もっと環境のことを考えたい」という想いが芽生えたときに思い出してもらえる、共感してもられるブランドになっていきたいですね。
佐藤:ベイフローは、以前からビーチクリーンイベントを開催したり、グリーンルームフェスに参加したり、国際環境NGOとのコラボ商品を販売したり、ショッピングバッグをすべて再生紙に変えたりと、環境にまつわるさまざまな活動を続けてきましたよね。
竹原:「オーガビッツ」の「しゃべるタグ」もそのひとつですね。これはウミガメのタグが付いている商品をご購入いただくと、寄付ができるというプロジェクトで、タグに記載されているQRコードを読み込むとウミガメがしゃべりだすというもの。店舗でスタッフとお客さまが一緒に楽しんでいただけそうだなと思い、取り入れたんです。
「やるだけ」で終わらない。
ここからが、本当のスタートだから。
佐藤:商品の素材や加工方法をサステナブルなものに切り替えることは実現できた。ここからは、それをどうやって実際に商品を販売してくれるスタッフや、それを手に取るお客さまに伝えていくのか……という視点もすごく大切になってきますよね。
竹原:何故、ベイフローはサステナブル商品への切り替えを行ったのか、どうしてそれが必要だったのか、そこにどんな想いがあるのか……まずは店舗の人たちに伝えて、そこから一人、またひとりと、お客さまにまで想いを伝えていければと考えています。発足はできたけれど、そこで終わってしまっては意味がない。せっかくいいことをはじめられたのだから、きちんとみなさんに理解してもらって、これからもずっと継続していきたいですね。
心が動く、行動に移す。
そんな「きっかけ」を生み出すために。
佐藤:環境のことを自分事として捉えるには、やっぱり共感することが大切。そういう意味でも、まずは「自然を好きになってもらうこと」がいちばんなのかなと思います。海や山など、自然の美しい景色や価値を私たちが発信し続け、自然の良さを一人でも多くの人に伝えていく。そうすれば、自ずと「この美しい海を汚したくない」「広大な景色を守りたい」という想いも広がっていくと思うんです。そのきっかけを生み出せるような取り組みを、ぜひやっていきたいですね。
竹原:そうですよね。ただ「環境にいいことをしよう」と言うだけでは、相手の心の奥にまでは響かないと思います。正直、私もビーチクリーン活動に参加する前は、「掃除、ちょっと面倒だな」と考えたりしていました。でも、いざやってみると楽しくて、気持ちが良くて!体験さえしてしまえば、考え方も価値観もすぐに変化するんですよね。だからこそ、私はこれからもたくさんの「心が動くきっかけ」を、ブランドを通じて発信していければと考えています。きっかけさえあれば、あとは動くだけ。そして、行動に移してしまえば、心はどんどん良い方向へと変わっていけるんです。これからもたくさんの活動を通じて、スタッフやお客さま、そして、環境にも。いいきっかけを生みだしていきたいですね。それがきっと、「Play fashion!」にもつながるんだと思います。