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「アクアワールド大洗」がユニフォームをフルリニューアル。 働きやすさとワクワクを叶えた制作エピソードを紹介!

アダストリアはこれまでに、さまざまな企業のユニフォーム制作を手がけています。そのひとつが、茨城県東茨城郡の大洗(おおあらい)にある水族館「アクアワールド茨城県大洗水族館(以下、アクアワールド・大洗)」と共同で進めたユニフォーム制作プロジェクト。2002年 の開館以来初となる、スタッフユニフォームのフルリニューアルをお手伝いさせていただきました。
アダストリアが制作を担当した全6アイテムの感想や制作過程のエピソードについて、総務課の生田目(なまため)さまと、水族館の飼育や地域の生物研究に関わる獣医師の十亀(そがめ)さまにそれぞれ語っていただきました。

みんなの声を叶えるために、
イチからすべてオリジナルで。


生田目(なまため):アクアワールド・大洗では、2024年3月よりスタッフが着用するユニフォームが新しくなりました。今日はその制作エピソードや着心地についてぜひ知ってもらえたらいいなと思っています。私、このユニフォーム本当にお気に入りなんですよ。


十亀(そがめ):サービススタッフと飼育スタッフ でユニフォームが少し違うんですよね。でも、統一感はしっかりあって。

生田目:そうなんです!基本のデザインは同じですが、サービススタッフのジャケットには襟が付いているなどの違いがあります。ポロシャツやブルゾン、ボトムスにアウター、キャップなど、すべてのアイテムを完全オリジナルでアダストリアに制作してもらったんですよね。



十亀:ユニフォームをリニューアルすると決まったとき、生田目さんは現場の意見を積極的に集めてくれましたよね。私は「ボトムスは動きやすさを重視したい」や「まくった袖がずり落ちてこないよう、ブルゾンの袖口部分はゴムにしてほしい」などの意見を出しましたが、そこもしっかりと反映されていました。

生田目:ユニフォームのフルリフォームは開館以来初。せっかくなら、スタッフみんなが気に入ってくれるものにしたいと思ったんです。いろんな職種の方から声を集めて、仕様書にまとめて…その上で何社かからデザインや素材の提案を受けたましたが、結果的に「アダストリアにお願いしたい!」となりました。デザインや素材が良かったのはもちろんですが、企業としてSDGsに関する取り組みを積極的に行っていることや、「Play fashion!」をミッションに掲げていることもポイントでしたね。


十亀:私も、機能性とデザインのどちらも大事にしてくれているのはすごくいいなと思いました。最初に提案されたボトムスを見たとき、格好いいなと思う反面「ちょっと動きにくいかも?」とも思ったんです。でも、履いてみるととても動きやすい!あと、飼育職のスタッフは掃除するときに水槽にボタンが当たってアクリル面を傷つけてしまう可能性があるんですが、すべてのボタンが生地の内側に隠れるデザインにしてもらえたことで、そういうちょっとした悩みも解消できるようになるのだと感動しました。

生田目:みなさん基本的に水に濡れやすい環境にいるので、速乾性のある素材がいいなどの声もありましたね。屋外にいることが多い方や冷凍庫に入って作業をするような方からは、防寒着(アウター)も好評でした!保温性が高い上に軽くて動きやすく、寒い空気が外から入りにくい機能になっているなど、細かいところまでしっかり考えられているなと感心しました。

十亀:そうですね。あと、私は獣医として薬や医療器具を持って水槽に近づくこともありますが、ポケットにファスナーが付いていて、器具を落とす心配がないのが有り難いですね。



廃棄された魚のウロコが生地に!?
環境を考えた提案に共感して。


十亀:最初にアダストリアからユニフォームのデザインを提案されたとき、特に興味を持ったのが「コラーゲンヤーン」という環境配慮を考えたサステナブル素材が使われていることでした。

生田目:魚の加工時に廃棄として発生したウロコを再利用してつくられた生地だと知ると、他のスタッフもみんな興味を示していましたよね。


十亀:アクアワールド・大洗では海獣類の餌としても魚を扱いますが、やっぱりどうしても一部廃棄が出てしまうじゃないですか。廃棄したものが直接この生地に再利用されるわけではないですが、私たちがこの素材をユニフォームに採用することで、水族館の使命である海や河川の環境保全や生き物たちが直面する環境問題について、発信していくきっかけにもなると思いました。しかも、シワになりにくくて、自宅で洗濯・乾燥できて、速乾性があるなど機能面も充実しているのがいいなと思います。

生田目:アクアワールド・大洗は、SDGsという言葉がこの世に存在していない時代からずっと、自然環境について考え・学べるような取り組みを続けていますもんね。自然体験塾を実施したり、脱プラスチック素材の導入にも力を入れたり、自然に負担をかけない展示などにも積極的に取り組んだり…。


十亀:私は獣医として、ウミガメの調査活動を通じてより良い海洋環境保全につなげる取り組みも行っています。私が入社する前には、海のゴミが絡まってしまい迷い込んだキタオットセイを保護し、元気になってから海に戻したこともあると聞いています。海の生き物たちが大好きで、海の環境を守りたいと考える私たちにとって、この生地を知れたのはすごく良かったです。

「あの子だ!」が分かる
オリジナルのテキスタイル。


生田目:それから、忘れてはいけないのがオリジナルで書き起こしてもらったテキスタイル!これはスタッフに大人気ですよね。最初は魚や海藻など海の中をイメージしたデザインを提案してもらったんですが、アクアワールド・大洗ではゴマフアザラシやフンボルトペンギン、カナダカワウソなどの生き物たちも展示しているので、「この子も描いてほしい」「こんなポーズで描いてほしい」といろいろ要望をプラスしたところ、どの子もすごくかわいく描いてもらえました!

十亀:真正面から見た姿だけじゃない、一緒に海の中で泳いでいるようなデザインが素敵ですよね。ホシエイやシロワニなど、魚のお腹側が描かれているのが面白いなと思います。


生田目:しかも、飼育担当のスタッフが見たら「これはあのカワウソだね」「このアザラシはあの子だと思う」と、すぐにどの個体か当てられるほど忠実に再現してくれているんですよ。世界のどこにもない、アクアワールド・大洗だけのオリジナルテキスタイルができたと感じています。「このテキスタイルを活用して何か新しい展開も考えてみたら面白そうだね」と、館内でも話し合っているところなんです。

「みんなでつくった」
そう思えるから、着るのが楽しみ!


生田目:見本品の確認や試着会はたくさんのスタッフに協力してもらいました。「丈があと1cm短いといいかも」や「ここがゴムになっているのがいいいね」「ここにファスナーがある!」などと、みんなでワイワイと楽しそうに話し合う光景が印象に残っていますね。アダストリアは細かな修正にも何度も対応してくれましたし、「みんなが気に入ってくれるユニフォームができた!」と、心から思います。このユニフォームを着て働くことは私たちの自信にもつながるし、全体のチームワークも深めてくれるはず。みんなが楽しそうに働いていればお客さまにもその空気が伝わるでしょうし、中には「制服が変わったなら見に行ってみようかな」と興味を持ってくださるお客さまや「このユニフォームを着て働きたい!」と思ってくださる方もいるかもしれません。ユニフォームをきっかけに、良い変化がたくさん起こればいいなと思います。


十亀:ユニフォームに注目してもらいたいのはもちろんですが、アクアワールド・大洗は魚や海獣たちの展示がすごく面白いので、来館の際はぜひ生き物の姿も楽しんでもらいたいですね。私がオススメしたい観察方法は、「ひとつの面からでなく、いろんな面から観察すること」。フンボルトペンギンの水槽は、泳いでいる様子を下からも上からも見える設計になっていますし、カナダカワウソの水槽は5階から見たときと6階から見たときでまた景色が違います。他にも、いろんな角度から海の生き物の姿を観察できる展示が豊富にあるので、「こっちから見たらどうかな」「下からだとどうだろう」という風に、じっくりと観察してもらいたいです。

生田目:クラゲ大水槽の「くらげ365」は2024年3月20日にリニューアルしたばかりですし、そちらもぜひ注目していただきたいです!テキスタイルに登場するカナダカワウソ などの生き物たちにもぜひご注目ください!



<アクアワールド茨城県大洗水族館について>
“さぁ、新世海!”をコンセプトに、約580種68,000点の生き物を飼育する大型水族館。特にサメの飼育・研究に力を入れており、飼育種類数は日本一を誇ります。2021年6月には大型のサメの仲間「シロワニ」の繁殖に日本で初めて成功(世界で5園館目)。夜間営業「NIGHT AQUAWORLD」(毎週土曜開催)や各水槽やプログラムのリニューアルなど、お客様に新たな水族館の一面をお見せするため様々な取り組みを行っています。

<所在地> 〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町8252-3
<URL> https://www.aquaworld-oarai.com/


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