アダストリアグループでは、「ファッションのワクワクを、未来まで。」というサステナビリティポリシーのもと、「環境を守る」「人を輝かせる」「地域と成長する」を重点テーマに掲げ、様々な取り組みを行っています。この春、「環境を守る」ための取り組みとして、近年問題視されている、海洋プラスチックごみに着目し、洗濯時に出てしまう繊維くずの海への流出を抑制する洗濯ネット「FIBER HOLD BAG(ファイバーホールドバッグ)」を開発しました。
毎日のお洗濯も環境にやさしく
洋服を清潔に着るために欠かせないお洗濯。実は、洗濯などで衣服から繊維くずが抜け落ち、その一部が、洗濯機や下水処理場のフィルターをすり抜け海に流れ出てしまっている、ということを知っていましたか?近年問題視されている海洋プラスチックごみの35%はこの繊維くずだとも言われています。
繊維くずのうちポリエステルなどのプラスチック由来のものは、植物由来の繊維に比べ自然に分解されるまでの時間が非常に長く、海洋中に留まりやすいため、食物連鎖を通じて生物の体内に取り込まれてしまう恐れが指摘されています。プラスチックごみによる海洋汚染は近年拡大していると言われ、最近の研究調査では、2050年には海洋ブラスチックごみの量が魚の重量を超えると予測されています(※1)。
※1 The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics(2016. World Economic Forum)
海洋汚染問題を解決するために開発した「洗濯ネット」
アダストリアでは、海洋汚染の原因となっている繊維くずに着目し、繊維くずを海に流出させない洗濯ネット「FIBER HOLD BAG(ファイバーホールドバッグ)」を開発しました。
この洗濯ネットは通常の洗濯ネットよりも細かい網目の0.05㎜の生地を表面に使用し、洗濯ネットの外に微細な繊維くずが出ない仕様になっています。これにより、洗濯ネットを使用しない場合と比べ、最大80%の流出抑止効果があることが当社独自の試験により、確認できました。
また、内側に網目の大きな生地をフィルターのように入れることで、抜け落ちた繊維くずが再び衣服に付着するのを防ぐほか、上下に配置したファスナーから衣服と繊維くずをそれぞれ取り出しやすい構造にしました。
洗濯ネットを使って服を長くきれいに着よう
洗濯ネットを洗濯時に使用することで衣服同士の摩擦を防ぐことができ、衣服を長くきれいに保つことにもつながります。着用期間が1年延びるだけで、日本全体で4万t以上の廃棄物削減につながるという調査結果も出ているんです(※2)。製品を生産し販売した責任として、洗濯ネット通じて、お客さまの手に渡った商品についても環境負荷の低減に貢献したいと考えています。当社は今後も様々な取り組みを通じ、社会課題をファッションの力で解決していきたいと考えています。
※2 SUSTAINABLE FASHION(2021.環境省)
BS朝日「つながる絵本」(水曜よる9:54・金曜よる8:54放送中)で、2021年10月27日(水)放送されました